Story

episode 28 prev 6of6

2月14日の

午前7時15分。玄関を出ると、いつものように彼がやってきた。
おはようの挨拶を交わし、二人並んで地下鉄の駅に向かう。

途中で、彼女は小さな手提げ袋の中からきれいにラッピングされたチョコレートを彼に渡す。
礼を言う彼が嬉しそうに微笑むのに合わせ、彼女の顔にも笑みがこぼれる。

さらに彼女は手提げ袋から何か取出して彼に差し出す。
毛糸で編んだ手袋だ。彼女は午前2時迄かかってやっと作り終えた。

「マフラーにしようかと思ったんだけど、制服の上からだと邪魔かなと思って手袋にしたの」

そう言う彼女の前で、彼は早速その手袋をはめてみる。

「ぴったりだ。とても暖かい」

そう言って彼は彼女の手を取り、再び歩き始める。
二人の手の間にはそれぞれの手袋があるのだけれど、手袋越しでも互いの暖かさが伝わってくるように思えた。

Created: 2005-02-14 08:17 Copyright © 2005 Setsu. All rights reserved.
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