Story

episode 27

私鉄と

JRとを結ぶ地下街にある喫茶店の、通りに面した窓際に二人は向かい合って座っている。
彼の前にはコーヒー、彼女の前にはクリームソーダが置いてある。

向かい合っているとはいうものの、彼も彼女も視線はテーブルの上だ。互いのことを見ていない。
無言のまま数分が過ぎ、彼が小さな声で「じゃあ、バイバイ」と言って伝票を手に立ち上がる。
彼女は小さく頷くが、顔をあげない。

レジで支払を済ませ店を出て、私鉄の駅に向かう彼を視線の隅に捕らえつつも、彼女はまだじっと座って動かない。

クリームソーダのグラスについた水滴が流れ落ちるのと合わせるように、彼女の頬に涙がこぼれた。

Created: 2005-02-21 08:07 Copyright © 2005 Setsu. All rights reserved.
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