Story

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「ねぇ

こっちのお店でもいい?」
ミスタードーナツの店の前を通り過ぎようとした時、彼女が彼に尋ねた。
「あぁ、いいよ。ちょうど腹も減ってきたし」
「じゃあここにしよう!」

二人でショーケースの中からドーナツを1つずつ選び、コーヒーとともに支払いを済ませ、トレーを持って一番奥の席に向かった。

「これも払ってもらっちゃっていいの?」
「元はと言えば俺が悪いんだから、今日の分は全部おごりだよ」
「でも、眼鏡ができる頃にはお昼になっちゃうよ」
「うっ… じゃあお昼は割り勘で」

二人で笑いながらひとしきり話したあと、彼がつぶやいた。

「今朝会ったとき、コンタクトを勧めようかと一瞬思ったんだけど、考え直したんだよね」
コーヒーを一口飲んでから、彼女は答えた。
「どうして?」
「眼鏡無しの君がとっても素敵だっていうことを皆が知ってしまうと、競争率が高くなりそうだから」
「え… それってひょっとして…」
彼は自分を落ち着かせるように、ゆっくりとコーヒーを飲んでから言った。
「そう。つきあってください」

彼がこんなに緊張しているのを見るのは初めてかもしれないと思いながら、彼の目をじっと見つめ、
「どうしようっかなぁ…」
と、いたずらっ子のような笑みを浮かべて、彼女が言った。

Created: 2006-02-19 15:55 Copyright © 2006 Setsu. All rights reserved.
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