Story
episode 14 |
肩を叩かれ
「着いたよ」という声に、彼は目が覚めた。
バスは学校の前のバス停に到着している。半ば寝ぼけたまま、ずり落ちそうになるエナメルバッグを抱えて彼はゆっくりと立ち上がる。バスの中は学生達でいっぱいだ。
立ち上がって降りる人の列についてみたものの、声の主らしき女の子が見当たらない。彼の前には男子生徒が何人もいる。バスを降りると、皆から少し離れたベンチの脇に、彼女がこちらを見て立っていた。まだぼんやりした頭のなかで、彼女はバスの中で彼のすぐうしろの席によく座っている子だということに気がついた。
彼の表情が明るくなるのに合わせて、彼女の顔にも笑顔があふれた。
Created: 2005-05-18 05:53 | Copyright © 2005 Setsu. All rights reserved. |
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