Story
横浜駅で
水色の電車に乗り換え20分ほど南下した駅で、さらにもう一度乗り換えた。
「どこに行くのか分かってきたような気がする」
笑いながらそう言う彼に、彼女はこう続けた。
「さすがにもう分かっちゃたか。今日は一日楽しもうね」
目的地のすぐ目の前の駅で降りた二人は、並んで階段を下り始めた。二人とも笑顔だ。
少し早足になって、彼女の半歩前を歩いている彼に向けて彼女が言った。
「こら、一日中手を繋ぐ約束でしょ!」
それまでずっと繋いでいた手を、改札を出た時から離してしまっていたことに彼女が気づいた。
「ごめんごめん」
と言いながら半ば振り返りながら手を差し出す彼の手を、彼女は握りしめた。
Created: 2005-11-01 05:45 | Copyright © 2005 Setsu. All rights reserved. |
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